日本型食生活とは、我が国の気候風土に適した米を中心に水産物、畜産物、野菜等多様な副食から構成され、栄養バランスが優れた食生活をいう。
(「平成20年度版食料・農業・農村白書」より)
日本型食生活の形成と定着
わが国の食生活は、欧米諸国に比べ熱量水準が低くその中に占めるでん粉質比率が高い等栄養バランスがとれており、また、動物性たん白質と植物性たん白質の摂取量が相半ばし、かつ、動物性たん白質に占める水産物の割合が高い等欧米諸国とは異なるいわば「日本型食生活」ともいうべき独自の食生活パターンを形成しつつある。栄養的な観点からも、総合的な食料自給力維持の観点からも、日本型食生活を定着させる努力が必要である。
(「農政審議会」(昭和55年10月)答申より)
栄養バランスが優れた「日本型食生活」の実践
「日本型食生活」は、日本の気候風土に適した米を中心に水産物、畜産物、野菜等多様な副食から構成され、栄養バランスに優れているだけでなく、日本各地で生産される農林水産物を多彩に盛り込んでいる特徴を持つ。
このため、「日本型食生活」の実践を促進することは食料自給率の向上や各地で古くから育まれてきた貴重な食文化の継承にもつながることが期待される。
なお、我が国のカロリーベースの食料自給率は、近年では40%程度で推移しているものの、世界の先進国の中で最低の水準であり、食を大きく海外に依存していることから、これを改善していくためにも「日本型食生活」の実践を促すことが重要である。
このため、第2節で述べる「食事バランスガイド」を活用した、「日本型食生活」の実践の促進や、テレビ等のマスメディアを活用し、「日本型食生活」や食育に関する様々な情報提供を行っている。
※日本型食生活(日本の気候風土に適した米を中心に水産物、畜産物、野菜等多様な副食から構成され、栄養バランスに優れた食生活)のイメージ
(内閣府「平成21年版食育白書」より)
食育推進基本計画(平成18年3月31日食育推進会議決定)(抜粋)
第3 食育の総合的な促進に関する事項
3.地域における食生活の改善のための取組の推進
(2)取り組むべき施策
(栄養バランスが優れた「日本型食生活」の実践)
日本の気候風土に適した米を中心に農産物、畜産物、水産物等多様な副食から構成され、栄養バランスが優れた「日本型食生活」の実践を促進するため、シンポジウムの開催やマスメディア等の多様な広報媒体等を通じて、米や野菜、果実、牛乳、きのこ類、魚介類等に関する情報提供を行う。
(「食生活指針」や「食事バランスガイド」の活用促進)
国民の食生活の改善を進めるとともに、健康増進や質的向上及び食料の安定供給の確保等を図るための指針として平成12年3月に決定・公表した「食生活指針」について、引き続き普及啓発を進める。また、「食生活指針」を具体的な行動に結びつけるため、食事の望ましい組み合わせやおおよその量をイラストを交えて分かりやすく示した「食事バランスガイド」を平成17年6月に決定公表したところであり、日々の生活においてこれが活用されるよう関係機関や関係団体はもとより、小売や外食、職場食堂等を通じて国民への浸透を図る。
食生活指針
- ・食事を楽しみましょう。
- ・1日の食事のリズムから、健やかな生活リズムを。
- ・主食、主菜、副菜を基本に食事のバランスを。
- ・ごはんなどの穀類をしっかりと。
- ・野菜・果物、牛乳・乳製品、豆類、魚なども組み合わせて。
- ・食塩や脂肪は控えめに。
- ・適正体重を知り、日々の活動に見合った食事量を。
- ・食文化や地域の産物を活かし、ときには新しい料理も。
- ・調理や保存を上手にして無駄や廃棄を少なく。
- ・自分の食生活を見直しましょう。
(平成12年3月文部省、厚生省、農林水産省決定)