1日に「何を」「どれだけ」食べればよいか、その目安を示してくれるのが「食事バランスガイド」です。「食事バランスガイド」を参考にすることによって、あなたにとって適量で栄養バランスのよい食生活を営むことができます。
「何を」は、主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物の5つの料理区分で示し、「どれだけ」は、1日の目安をそれぞれの料理区分ごとに1つ、2つと「~つ(SV)」で数えます。(SVとはサービング(食事の提供量)の略です。)
1日の食事量の目安は、性別・年齢・身体活動量によって違います。
「食事バランスガイド」を使って、自分の適量を把握してみましょう。
注意
「食事バランスガイド」は、原則として健康な方を対象に作られたものです。糖尿病や高血圧などで、医師や管理栄養士の指導を受けている人は、その指示に従ってください。
こちらも参考に
朝、昼、晩の3食をとおしてバランスをよくするために、ご自分で十分な用意ができない場合は、たとえば1食に主食、副菜、主菜がきちんととれる宅配のお弁当(冷凍)や市販のお弁当などを取り入れたり、外で食事を楽しむこともよいでしょう。
また、とくに副菜(野菜)が不足しているときには、市販の惣菜や宅配の惣菜(冷凍)を加えると、簡単にバランスのよい食事をとることができます。
買物や食事作り、片づけが面倒なときがあります。あまり火も使いたくありません。何かいい方法はありますか?
市販の惣菜や宅配の惣菜(冷凍)を1品加えるだけでも食卓はにぎやかになります。火を使わなくても、電子レンジで調理することができ、レパートリーは広がります。缶詰やレトルト食品を利用して、新しいメニューにアレンジしてみるのもいいでしょう。
また、やる気のあるときに煮込み料理などをたくさん作り、小分けにして冷凍保存しておくと便利です。食べたいときに電子レンジで温めるだけで、十分なおかずになります。ごはんを炊きすぎてしまったときも、ラップフィルムに包むなどして冷凍保存しておきましょう。
どうしても準備をするのが面倒なときは、市販のお弁当や宅配のお弁当(冷凍)を利用してみましょう。電子レンジで温めるだけで、栄養バランスのとれた食事をすることができ、あと片付けも簡単です。外食を楽しむのもよいでしょう。
最近では食材や食品を宅配してくれるサービスも充実しています。野菜やお米など重い食材を宅配してくれるお店はもちろんのこと、お弁当そのものを宅配してくれるサービスもあります。これらを上手に活用して、買物や食事づくりを手軽にしてはいかがでしょうか。
歳をとったら、お肉は食べない方がいいのでしょうか?
高齢者の場合、特に気になるのがたんぱく質不足です。たんぱく質は、血液や筋肉などを作り、体力や免疫力の維持にも役立つ栄養素で、肉・魚・卵・大豆料理などに含まれます。高齢になると食欲の低下や食事量が少ないことから、たんぱく質が不足しがちになります。すると、その分をおぎなうために筋肉や脂肪が減り、やがて身体機能の低下につながってしまいます。
「食事バランスガイド」の適量に合わせて、肉・魚・卵・大豆料理(主菜)でたんぱく質をしっかりとりましょう。
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トイレが気になるので、水分を控えてしまいますが、体によくありませんか?
高齢者は、体の中に水分をためておく機能が低下していたり、のどの渇きを感じにくいことから水分不足になっていることがあり、脱水症状を起こしやすくなります。高齢者にとって、脱水症状は非常に危険です。トイレが気になるからといって、水分を控えることは体によくありません。
水分をとりすぎる必要はありませんが、食事のときや決まった時間に水やお茶を飲むなど、意識的に水分を補給しましょう。水分をよくとることで、血栓を予防し、脳梗塞や心筋梗塞の予防にも効果があります
運動をするとき、また特別に体を動かさなくても夏場の蒸し暑いときは、汗をかいて体から水分が出るのでとくに注意が必要です。口が渇く、皮膚のシワが戻らない、口のまわりがカサカサする、尿の量が少ないなどと感じたら、とくに意識して水分をとりましょう。
食欲がなく、あまりお腹がすきません。
何も食べないことが一番体を衰えさせます。食欲がない時は、あまり栄養のバランスにこだわらずに好きなものを食べましょう。
食欲がでてきたら、牛乳・乳製品、果物はもちろん、主食のごはんや副菜のいも類などを少しずつ食べるようにしましょう。
また、食事がおいしく食べられる生活習慣をつくることも大切です。
こんな生活習慣を身につけましょう
起床、就寝時間を一定にする
早寝早起きが基本。ぐっすり眠って朝起きたら日の光を浴びましょう。食事の時間を決める
1日3食、決まった時間に食べ、食のサイクルをからだに覚えさせましょう。活動や運動の量を増やす
散歩や外出するなど積極的にからだを動かせば、自然にお腹もすきます。体重測定を定期的に行う
定期的に体重を量り、知らず知らずのうちに体重が減っていないかをチェックしましょう。歯が弱って噛みにくくなり、食事をするのが面倒になってしまいました。
食事は、単にエネルギーや栄養素をとるためのものではなく、味わう楽しみや一緒に食事をする楽しみ、買物をしたり献立を考える楽しみ、作る楽しみ、外食の楽しみなど、さまざまな楽しみや喜びがあります。毎日、歯や入れ歯の手入れをして、定期的に歯医者さんで口腔の状態を見てもらい、食事を楽しめる口内環境を心がけましょう。食事の前にぶくぶくうがいをすると、口内がしめり、機能アップにつながります。
口の中や体の調子を整え、積極的に「食べること」を楽しもうとすることは、心身の老化を防ぎ、生活の質を向上することにもつながります。「食べること」を楽しんで、いきいきとした生活を目指しましょう。
食事の楽しみ方を教えてください。
食事にまつわる「楽しみ」を増やし、食事を「楽しい時間」に変えることが大切です。
買物の楽しみ
作る楽しみ
味わう楽しみ
一緒の楽しみ
栄養バランスに気をつけましょうといわれますが、何を目安にすればよいですか?