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「日本型食生活」のはなし

内閣府「平成21年版食育白書」より日本人は、古くから、地元で調達できる米、魚、野菜などの農水産物を調理、加工して、食生活を営んできました。
1960年代以降、経済の高度成長に伴い国民所得が増大する中で、欧米の食材や料理が紹介され、日本人の食生活が大きく変化しました。
その結果、1980年頃には、米、野菜、魚を中心とした伝統的な食生活パターンに肉、牛乳・乳製品、鶏卵、油脂、果物等が豊富に加わって、多様性に富み、栄養摂取の量とバランスの両面からみても、高い評価ができる食生活が実現しました。欧米の食生活の要素が一部取り入れられたとはいえ、欧米諸国とは異なるいわば「日本型食生活」ともいうべき独自の食生活パターンが形成されたのです。
しかし、その後、米等の穀類を主体とする炭水化物の摂取量が減少を続ける一方で脂質の摂取量が増加し続け、野菜の摂取不足などと相まって、栄養バランスの崩れがみられるようになったのです。このような食生活の変化に伴い、農産物の輸入量が増加し、食料自給率が大幅に低下しました。(カロリーベースの食料自給率:1980年度 53%→2008年度 41%)
たんぱく質(P)、脂質(F)、炭水化物(C)のそれぞれからどれくらいの割合でエネルギーを摂っているかを表した数値をPFCエネルギー比といいます。この数値を日本人の平均値で見ると、1980年頃が最も栄養バランスに優れていたといわれています。1965年度、1980年度、2008年度の数値を比較してみると図のとおりであり、かつては脂質が不足していたのですが、最近では過剰摂取となり、一方、炭水化物は過剰であったものが不足気味になって、以前とは逆方向にバランスが崩れてきたといえるのです。

PFC熱量比率の推移 (1980年度=100、供給熱量ベース)

このような、食生活の現状を改善するためには、日本の気候風土に適した米を中心に、水産物、畜産物、野菜等多様な副食から構成され、栄養バランスが優れた日本型食生活を推進することが必要になっています。また、このためには、「食事バランスガイド」(注)を活用した取組が効果的です。
「日本型食生活」を推進することは、栄養バランスの改善とともに、食料自給率の向上にもつながることが期待できます。

(注)「食事バランスガイド」は、厚生労働省と農林水産省が、平成17年6月に決定、公表したもので、望ましい食事のとり方やおおよその量をわかりやすくイラストで示しています。