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第4章 砂糖のあれこれ 後編

2.砂糖と健康について

砂糖は、甘味料などに利用されますが、栄養成分は、ご飯と同じ炭水化物です。生命を維持し、活動のエネルギー源となるものです。特に砂糖の糖質は、すみやかに消化吸収されるので、疲れた時には、栄養補給に高い効果を発揮します。また、脳や神経のエネルギー源は、砂糖などが分解してできるブドウ糖のみです。そのため、脳や内臓、筋肉が活発に活動するには、砂糖などの糖質を補給する必要があるのです。

ところで、砂糖が白いのは、漂白剤を使っているからでしょうかという質問がありました。いいえちがいます。砂糖の結晶は、無色透明です。砂糖が白色なのは、雪が白色なのと同じで、結晶が光を乱反射して白色に見えているのであって、漂白剤を使って白くしているわけではありません。

つぎに、砂糖を食べると太りますかという質問がありました。太る原因は、エネルギーの消費量よりも摂取量の方が多いためで、つまり食べ過ぎによるものです。砂糖を食べないからといって、肥満が予防できるわけではなく、普段から適度な運動でエネルギー消費を高め、いろいろな食品をバランス良く、適量摂取することが大切です。

続いて、砂糖は、体の中のビタミンB1を破壊するのですかという質問がありました。確かに、糖質が体の中で分解されてエネルギーになるときには、ビタミンB1は大切な働きをしています。ご飯やパンなど炭水化物を多く含む食品をたくさん食べると、同時にそれを分解してエネルギーにかえるビタミンB1も多く必要になります。しかし、決して、砂糖などの糖質がビタミンB1を破壊するということではありません。

また、砂糖は酸性食品ですかという質問がありました。人間の体は、常に弱アルカリ性に保たれるようにできていますが、毎日食べる食品の中には、酸性やアルカリ性のもとになる物質がたくさん含まれています。しかし、砂糖にはそのような物質は含まれていません。

最後に、砂糖と生活習慣病とは関係がありますかという質問がありました。一般的に、心臓病は、コレステロールや肥満が原因の一つであるといわれていますし、糖尿病は、遺伝的な素質に、食べ過ぎ、肥満、運動不足などの後天的な要因が重なって起こるといわれています。特に遺伝的な素質を持った人は、砂糖に限らず、エネルギー源となる脂質や糖質の摂り過ぎに注意しなければならないでしょう。

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