1.砂糖の作り方と種類
砂糖は、「さとうきび」や「てん菜」などの植物から作られます。
日常、なにげなく摂っている砂糖ですが、まずは、その作り方について解説します。
さとうきびからは、普通、2段階の工程を経て、砂糖ができます。第一工程は、さとうきびの茎を細かく砕いて汁をしぼり、不純物を取り除いた後、煮詰めて結晶を作ります。それを遠心分離器にかけ、結晶にならなかった糖蜜を除き、原料糖ができます。第二工程は、この原料糖の表面を糖蜜で洗った後、遠心分離器にかけて結晶を取り出し、お湯に溶かしてろ過し、さらに不純物を取り除くと無色透明な糖液になります。これを煮詰めて結晶にし、再び遠心分離器にかけてようやく砂糖になります。これがさとうきびから作られる「甘しゃ糖」です。
てん菜からは、根の部分を洗って千切りにし、温水に浸して糖分を溶けださせ、そこから不純物を取り除いて、煮詰めて砂糖になります。これがてん菜から作られる「てん菜糖」です。
「甘しゃ糖」や「てん菜糖」などから、様々な種類の砂糖に精製されます。
ちなみに、日本で供給される砂糖は、年間約230万トンです。このうち約4割は国産のさとうきび、てん菜から、約6割は輸入された粗糖からつくられています。用途は、パン・菓子類が全体の33%と多く、清涼飲料、乳製品、調味料の割合も高まってきています。家庭用に用いられるのは全体の15%になります。
それでは、砂糖の種類についてご紹介いたします。
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上白糖
- 砂糖のうち、最も一般的なのは、上白糖(じょうはくとう)です。白砂糖とも呼ばれています。日本で使用されている砂糖のうち、約半分を占めています。結晶が細かく、しっとりしたソフトな風味の砂糖です。
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グラニュー糖
- 上白糖よりも結晶が大きく、サラサラとした感じで、クセのない淡泊な甘さから、コーヒーや紅茶などの香りを楽しむのに利用されるのが、グラニュー糖です。
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角砂糖
- グラニュー糖を四角に固めたものが角砂糖(かくざとう)です。角砂糖は、一個の重量が決まっているので、お菓子や料理用にも便利です。
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白双糖
- グラニュー糖よりも結晶が大きく、無色透明で、高級な菓子や飲料に多く使われるのが白双糖(しろざらとう)です。しかし、家庭ではあまり使われません。
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中双糖
- グラニュー糖よりも結晶が大きく、カラメルが表面にかかっているため黄褐色をしているのが、中双糖(ちゅうざらとう)です。独特の風味を持っているので、煮物などに使われます。
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三温糖
- 同じ黄褐色でも、加熱によってカラメルが形成されて黄褐色をしているのが三温糖(さんおんとう)です。特有の風味と甘さを持っており、煮物や佃煮などに使うと、上白糖よりも強い甘さとコクがでます。
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氷砂糖
- 一方、溶けるのに時間がかかるので、果実酒を作るのに最も適しているのが、氷砂糖(こおりざとう)です。氷のような大きな結晶です。
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液糖
- それに対して、液糖(えきとう)は、溶かす手間が省けるので、清涼飲料水、ソース、焼肉のタレなどに使われます。
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和三盆
- 日本の伝統的な製法で作る淡黄色の砂糖は、和三盆(わさんぼん)です。結晶の大きさが非常に小さく、独特の風味を持っているので、和菓子の原料として珍重されています。主に、徳島県で作られています。
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黒砂糖
- 黒砂糖(くろざとう)は、さとうきびの搾り汁をそのまま煮詰めて砂糖にしたものです。濃厚な甘さと、強い風味があります。沖縄県や鹿児島県の南西諸島で作られています。
第4章 後編へ
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