食育実践活動推進マニュアル

宅配事業者向け食育実践活動推進マニュアル|これから弁当の宅配事業の拡大・充実を図ろうとしている企業の皆様へのご提案

ホームページの作成例がありますので、是非、ご覧ください。

はじめに

今、国民の5人に1人は65歳以上という高齢社会になっています。
平成20年現在で全世帯約4,800万世帯のうち高齢夫婦のみの世帯が588万世帯、高齢者単独世帯が435万世帯となっており、年々高齢者世帯は増加する傾向にあります。

65歳以上の者のいる世帯数及び構成割合(世帯構造別)と全世帯に占める65歳以上の者がいる世帯の割合

(出典:内閣府 平成22年度高齢社会白書)

高齢者の栄養状態は望ましいものではなく、「タンパク質・エネルギー低栄養状態」は、自立高齢者10%未満、在宅訪問患者約30%を占め、日常生活動作が低下した高齢者が多くなっています。

低栄養状態は、食事摂取量の減少、独居・高齢者世帯、買物に行けないなどが原因であり、特に食事については適正な食事量をとることやふだんの食事でさまざまな食品をまんべんなくとることが大切です。

また、BMIが20以下の「細い人」の生存率は、「太い人」「少し太い人」「少し細い人」のいずれより、顕著に低いという結果が報告されています。低栄養によるやせ過ぎに注意が必要です。

(出典:(財)東京都老人総合研究所発行「高齢者の食を考える」 小金井市および南外村の在宅高齢者(65歳以上)1,048人を8年間追跡)

体格指数(BMI)と生存率

高齢者の食生活の課題と宅配事業
~高齢者の食生活上の課題に対し、宅配事業は有力な解決策を提供できます。~

小家族の場合には

  • 調理コストが割高になる
  • 日常的に得られる情報が少なくメニューが単調になる
  • 使用量の少ない食材を組み合わせた料理は、食材が買いにくくて作れない

といった問題があるうえ、高齢者の場合、肉などの摂取量が少なくなる、食材のバラエティが少ないなど食事内容の問題に加えて、買物に手間がかかったり日々の体調によって調理することが難しい場合も生じることが考えられます。
これらは、今や国民的な課題になりつつあり、そのひとつの対応策として宅配事業者による家庭への弁当供給事業が近年注目されるようになっています。
このマニュアルは、これから宅配事業の拡大・充実を図ろうとしている企業の皆様へ食育推進の観点からのご提案として作成しています。

宅配事業に求められるもの

では、お弁当の宅配事業に求められるあるいは必要なことはなんでしょうか。そのいくつかを挙げてみましょう。

1. どのような商品が望まれるか

容器が開けやすい、調理は温めるだけ・解凍するだけなど取り扱いが簡単、メニューが豊富で選択の幅があること、食事摂取量に応じたサービスサイズで提供することが必要です。また、食育の観点から「食事バランスガイド」に配慮した工夫が望まれます。

2. 製造販売に際し注意しなければならないこと

食品衛生
微生物汚染、異物混入及び品質劣化が生じないようにします。

【注意点】

  • 衛生・保存条件の異なる食材に配慮して仕込みから仕上がりまで品質確保されているか
  • 製造ライン、使用器具及び作業員の衛生管理が確認されているか
  • 出荷後のデリバリーと消費されるまでの温度管理が把握されているか

食品表示
加工食品の品質表示基準、調理冷凍食品、レトルトパウチ等個別品質表示基準、アレルギー表示、特色のある原材料等の表示方法などについて特に規則等を参照して誤記のないようにします。

【注意点】

  • 法令に従って表記されているか
  • 使用原材料と製品仕様書に合致した原材料が使用されているか
  • 使用数量、原材料成分・由来が把握できているか
  • 包材への印刷内容と実際の成分等が対応しているか

3. どのように情報提供するか

商品を買っていただくための広報として、わかりやすいホームページを作成することが効果的です。
また、商品をお届けしてから食事されるまでの間の取り扱いに関する情報提供は、食品表示を充実させることが低コストで一般的でしょう。

ホームページの作成

ここでは、ホームページ上での情報提供の事例を紹介します。
一般の企業の皆様でも簡単にできるホームページを作成してみましょう。
本事例(「便利な宅配弁当を使いましょう」)は、高齢者夫婦を軸に、宅配弁当の特徴である手軽で簡単なこと、保存性に富むこと、メニュー・食材が豊富なことをアピールし、食育の観点から小家族に生じがちな食生活上の課題とその対応として宅配弁当の活用を進めることをコンセプトにしています。
この事例は、食育実践活動推進事業の一環として試みに作成したものです。地域や食材、販売対象者によってその内容は異なってきます。本事例の構成にとらわれずいろいろ工夫を加えてお作りください。

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