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事業内容

平成24年度事業内容

シニア食育講座

 シニア世代の食生活の改善に係わる人々を対象に、望ましい食生活のあり方を学習する「シニア食育講座」を東京都、群馬県、新潟県で開催しました。

1.講座の概要

日時 第1回 平成24年10月5日(金)13時~16時半
第2回 平成24年10月26日(金)13時~16時半
第3回 平成24年11月16日(金)13時~16時半
第4回 平成24年12月14日(金)13時~16時半
内容 第1回 「シニア世代の食事摂取基準の考え方」
講師:佐々木 敏(東京大学大学院 医学系研究科 公共健康医学専攻 社会予防疫学 教授)
「“共「食」のすすめ”」
講師:足立 己幸(名古屋学芸大学健康・栄養研究所 所長)
第2回 「味わいと咀嚼」
講師:神山 かおる((独)農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所 食品機能研究領域 上席研究員)
「食情報とフードファディズム~メディアに惑わされない食生活~」
講師:高橋 久仁子(群馬大学 教育学部 教授)
第3回 「外から見た日本の食と食料事情~タンザニアとの比較でみえてくる特徴~」
講師:中川 坦((財)全国瑞穂食糧検査協会 理事長、前在タンザニア日本国特命全権大使)
「栄養ケア・マネジメント」
講師:杉山 みち子(神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部 栄養学科教授)
第4回 「高齢者の食生活と健康」
講師:柴田 博(人間総合科学大学 保健医療学部学部長・大学院教授)
「フードデザート・買物難民問題の現状と対策」
講師:岩間 信之(茨城キリスト教大学 文学部 准教授)
会場 南青山会館 3・4号会議室
参加者 シニア世代の食生活の改善に関わる方や関心のある方
講座風景

2.講義内容の概要

< 第1回 >

「シニア世代の食事摂取基準の考え方」

講師:佐々木 敏(東京大学大学院 医学系研究科 公共健康医学専攻 社会予防疫学 教授)

カルシウム摂取、血圧コントロール及び「噛む」と「寿命」の関係を例として、自分の栄養素摂取量とその特徴(くせ)を知ることがまず大切である。食べ物は病気を治すためではなく、病気にならないために存在する。出所が不明な情報や「これだけで…」「すぐに…」とある情報は要注意である。

「“共「食」のすすめ”」

講師:足立 己幸(名古屋学芸大学健康・栄養研究所 所長)

共食とは、調理などの食行動を含め、誰かと食事を共にすることである。栄養(食事内容)、健康、人間関係や日常生活、地域活性化等の面において、共食は重要性を有している。実行へのヒントは、自分にとって何が重要で何を実行するかを自分で判断し、自分の得意・強みを活かしてやり方を決めることにある。


< 第2回 >

「味わいと咀嚼」

講師:神山 かおる((独)農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所 食品機能研究領域 上席研究員)

おいしさの構成要因には、味や匂いなどの他に、舌触りや歯応えなどのテクスチャーがある。咀嚼をしないと食品は味わえない。高齢期には咀嚼機能が変化するため、安全においしく食べられるテクスチャーを食品に持たせることが重要となる。これからは、高齢者の食実態、高い機能性、利便性といった視点から食感をデザインした食品が必要となる。

「食情報とフードファディズム~メディアに惑わされない食生活~」

講師:高橋 久仁子(群馬大学 教育学部 教授)

食べ物や栄養が健康や病気に与える影響を過大に信じたり評価することを「フードファディズム」という。健康の維持増進には「栄養・運動・休養」が欠かせないが、「栄養」すなわち「食」さえ良くすれば健康は万全と考えること自体がすでにフードファディズムである。メディアに惑わされない食生活を営むには、食情報のカラクリを見破る目を養うことが必要である。


< 第3回 >

「外から見た日本の食と食料事情~タンザニアとの比較でみえてくる特徴~」

講師:中川 坦((財)全国瑞穂食糧検査協会 理事長、前在タンザニア日本国特命全権大使)

食のあり方は、歴史、気候風土や経済状況により規定される。日本と対極にあるタンザニアの食生活を紹介する。タンザニアの人々にとって食事とは空腹を満たすための必需摂取であり、まず生きていくため質より量が優先している。一方、日本では食事は楽しみであり嗜好的感覚が強く命を維持するためとの意識は低い。日本人は頭で食事をし、タンザニア人は胃袋で食事をしている。

「栄養ケア・マネジメント」

講師:杉山 みち子(神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部 栄養学科 教授)

栄養ケア・マネジメントとは、個々人に最適な栄養ケアを行い、その実務遂行上の機能や方法、手順を効率的に行うためのシステムで、栄養状態を改善して、自立した日常生活を維持できる期間を長く保つことである。食べることの大切さを認識し、地域・病院・施設の選択時には栄養ケアへの取組み実態を知り、食べることを支援する配食・食事支援・買物サービスに参加(あるいは創設)しよう。


< 第4回 >

「高齢者の食生活と健康」

講師:柴田 博(人間総合科学大学 保健医療学部学部長・大学院教授)

高齢者の健康は、手段的自立、知的能動性及び社会的役割について老研式活動能力指標での健康診断と、食品摂取の多様性得点の10点法の算出により判断できる。長寿で、高い生活の質を保ち、社会貢献にも積極的であるためには、食品摂取の多様性と動物性たんぱく質の摂取が重要な意味を有している。

「フードデザート・買物難民問題の現状と対策」

講師:岩間 信之(茨城キリスト教大学 文学部 准教授)

買物利便性が難しい人々の集住であるフードデザートは、高齢者の増加、貧困の拡大、地域コミュニティの希薄化から生じる社会の「ひずみ」である。都市部では孤立、貧困などの社会的要因、農村部では店舗の喪失、交通手段の減少など地理空間的要因によるところが大きい。解決にあたっては、地域社会、大手小売企業及び行政の協力による支援が有効である。